このページでは、下肢静脈瘤を改善するための運動について紹介しています。医師に相談してから、無理なくできる範囲で行ってみてください。

下肢静脈瘤対策になるのはどんな運動？

血流の促進につながる運動がおすすめです。具体的には、ウォーキングや軽めのジョギング、自転車こぎ、水泳などです。下肢から心臓方向への血流を促すことが可能です。また、水中ウォーキングであれば、浮力により関節への負担をおさえつつ、血液の循環をスムーズにすることができます。

ただ、いずれの運動についても、医師に相談の上、無理のない範囲で行うようにしましょう。

普段の生活で続けやすい運動方法は？

普段の生活で続けやすいおすすめの運動方法は「つま先立ち」と「つま先上げ」の2つの運動方法です。それぞれの効果や運動内容について、わかりやすく解説します。

筋ポンプ作用アップのための「つま先立ち」

つま先立ちをすることで、ふくらはぎの筋ポンプ作用を高められます。筋ポンプ作用が高くなれば、おのずと下肢から心臓へ向かう静脈血の血流がスムーズになります。その結果、下肢静脈瘤の改善につながります。

「つま先立ち」は、例えば食器を洗っているときや洗濯ものを干しているときなど、作業をしながら行うことも可能です。3秒ほど時間をかけてゆっくりと両足のかかとを上げ、その後、また同様に3秒かけて両足のかかとを下げてください。この動作を10回繰り返します。

腰かけた状態でできる「つま先上げ」

座っているときには「つま先上げ」がおすすめです。椅子に腰かけた状態で、かかとを床につけた状態のまま両足のつま先をゆっくりと上げ下げします。この動作を10回繰り返してください。テレビを見ているときやデスクワークをしているときなど、1時間に1回の頻度で行うのがよいでしょう。

逆に避けたい運動方法はある？

避けるべき運動方法としてまず挙げられるのが「加圧トレーニング」です。

加圧トレーニングとは、専用ベルトを腕や脚の付け根に装着して、血流を制限しながら行うトレーニングのことです。血液を一時的に抑えるため、小さな負荷で大きな運動効果が得られるとされる方法です。効率のよいダイエット効果や筋力アップ効果を求めたいと考える人々のあいだで注目が高まっています。

ただ、加圧状態にすることによる静脈への影響には注意が必要です。特に、静脈弁の機能低下により下肢静脈瘤が生じている場合には、症状がさらに悪化するリスクがあります。

加圧トレーニング以外で避けるべき運動は？

• 【フルマラソンなど】
  フルマラソンのような高強度の運動を長時間にわたって続けると、症状の悪化を招くおそれがあります。
• 【スクワットやデッドリフトなど】
  高重量を用いて行うスクワットやデッドリフトなどの筋力トレーニングは、下肢の静脈に大きな負担をかけてしまいます。
• 【ヒールのある靴を履いての歩行など】
  ハイヒールを履いた状態で歩行したり運動したりすると、ふくらはぎの筋肉ポンプ作用を妨げてしまいます。日常生活でも、できるだけハイヒールの着用は控えるようにしましょう。

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