ここでは、「うっ滞性皮膚炎」について紹介します。うっ滞性皮膚炎とはどんな症状なのか、なぜ発症するのかなどを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

うっ滞性皮膚炎について

うっ滞性皮膚炎とは、足の血液循環が悪くなることで引き起こされます。そもそも「うっ滞」とは流れや動きが滞ることを指し、何らかの原因で血液循環が悪くなり、血液がうっ血することで皮膚に赤い斑点や炎症が生じます。

うっ滞性皮膚炎になりやすいのは、以下の特徴がある方です。

• 立ち仕事が多い人
• 高齢者
• 肥満状態である人

まず、長時間立った状態が続くことで、足の血液のうっ滞が生じやすくなります。また、高齢者は血管の弾力性が低下しているため、血液循環が悪化しやすくなっています。さらに、肥満状態の方は、血管に負担がかかっているため、血液がうっ滞しやすいといわれています。

うっ滞性皮膚炎の症状

うっ滞性皮膚炎を発症すると、「色素沈着（皮膚が茶褐色になる）」や「脂肪皮膚硬化症（皮膚が硬く厚くなり、痛みが出る）」、「湿疹」などが見られるようになります。これらの症状が単独で見られることもあれば、複数が組み合わさって出現することもあります。

うっ滞性皮膚炎の初期症状としては、皮膚のかゆみや赤み、うろこ状のような角質の剥がれがあります。
そして症状が進行すると、皮膚が茶褐色になったり、潰瘍（ただれ）が生じます。

なお、うっ滞性皮膚炎といえば「皮膚が茶褐色になる」というイメージが強いものの、色素沈着は脂肪皮膚硬化症や湿疹が進行して起こることがほとんど。そのため、「色素沈着だけであり、脂肪皮膚硬化症や湿疹の症状がない」という場合は、下肢静脈瘤の治療が不要となる可能性があります。

うっ滞性皮膚炎を発症する原因は？

うっ滞性皮膚炎は、静脈血流のうっ滞によって引き起こされます。つまり、下肢静脈瘤のような血液の流れが悪くなった状態で発症しやすいのです。

下肢静脈瘤では、静脈の弁が壊れる・静脈が拡張するといった要因で血液が足に溜まってしまいます。そして静脈血がうっ滞すると、血管が耐えられなくなり、毛細血管が切れて血液が漏出。内出血が起こり、出血した血液中から鉄を含む色素が生成されます。この色素が皮膚に沈着すると、かゆみや湿疹、色素沈着へとつながります。

そのため、うっ滞性皮膚炎を発症しないようにするためには、静脈血流のうっ滞を起こさないようにすることが大切です。

下肢静脈瘤以外の原因

うっ滞性皮膚炎は、下肢静脈瘤以外の原因で発症するケースがあります。

たとえば、肥満などで鼠径部が圧迫されると、リンパや静脈の流れが悪くなります。太ももから骨盤内の静脈が圧迫されることで静脈の圧が上がってしまい、血流が悪くなってしまうのです。そのため、肥満でなくても、妊娠・出産をきっかけにうっ滞性皮膚炎を発症するケースもあるようです。

うっ滞性皮膚炎はどこで診察を受けるべき？

うっ滞性皮膚炎の症状で診察を受けたい場合は、皮膚科または形成外科を受診しましょう。

早期治療を目指すため、色素沈着などの症状がなくても「皮膚にかゆみや痛みがある」「足のむくみが気になる」という場合は受診してみるのが安心です。

下肢静脈瘤が原因だった場合はどんな治療を受ける？

うっ滞性皮膚炎の原因が下肢静脈瘤であると医師が判断した場合、保存的療法や手術療法を行います。

たとえば、患部のかゆみが強い場合、軟膏を使用してかゆみを改善させます。もしも潰瘍化している場合には、洗浄や軟膏処置などの対処療法を行うことが一般的。
また、下肢静脈瘤の治療として、弾性包帯や弾性ストッキングを用いることもあります。弾性ストッキングなどで足を圧迫することで、足の静脈に血液がうっ滞するのを防いでくれます。
さらに、下肢静脈瘤の手術療法では、硬化療法やストリッピング手術、レーザー治療などを行います。

当サイトでは下肢静脈瘤に関する知識や治療を行うクリニックなどをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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